「阿波和三盆糖」って何?
阿波和三盆糖の生産地と歴史
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和三盆糖とは、徳島と香川県の一部で現在も栽培されている在来品種である「竹糖」(通称、細黍とも言う)と呼ばれる砂糖黍を原材料に、現在も機械等をあまり使うことなく作られている数少ない国内産の砂糖です。
阿波和三盆糖とは「阿波の国」=「徳島県」側で産した物を呼びます。主に作られているのは徳島県板野郡上板町の北部、阿賛山脈の南斜面にあたる地方です。この地方にこの砂糖黍が入植されて既に二百余年と言われています。戦前は一般の国内糖として多く作られていましたが、戦後外来の安価な精製糖が輸入されるにつれ生産業者も減少し、現在は主に和菓子用の砂糖として用いられています。

詳細は、「産地とその歴史」をご覧ください。

 
 

和三盆糖が普通に使われている砂糖と著しく違う理由の一つは、その原材料の違いがあります。和三盆糖の原材料も、皆さんが家庭でお使いの砂糖(上白糖やグラニュー糖)と同じく砂糖黍です。砂糖黍と言ってしまえば同じなのですが、和三盆糖に使います砂糖黍はかなり品種が違います。 和三盆糖の原材料となる砂糖黍は、「竹糖」と呼ばれる品種です。台湾、キューバ、そして沖縄などで栽培されている砂糖黍とはかなり異なり、背丈も比較的低く太さもかなり細いのがその特徴です。成長した段階で背丈は穂の部分を入れて凡そ2m弱、太さは大人の人差し指程度の太さしかありません。
背も高くなく太くもないので、単位面積当たりの収穫量を考えますと明らかに不利なのですが、その素のままの砂糖黍の味が今でもこの砂糖黍が栽培されている理由です。

この砂糖黍「竹糖」の栽培方法も南方での砂糖黍のそれとはかなり違うものです。成育した砂糖黍は十二月の収穫期に根ごと引き抜き収穫します。砂糖黍の節の所には小さな芽が付いており、収穫分の幾らかを残しておき四月にその節の所を適当な長さに切って植えます。砂糖黍栽培農家の凡その年間の作業は以下の通りです。

四月上旬、種黍を掘り出す。
四月上旬、植え付け。
数回の除草作業と水引き。
十一月中旬、来年の種黍を埋える。
十一月下旬から十二月、収穫。
十二月、製糖所砂糖黍受け入れ開始。

 
 

そのシーズンの和三盆糖の製造は、砂糖黍の収穫が始まる十二月より始めます。まず最初の作業は砂糖黍を絞って汁を取り出すことです。当、岡田製糖所での製造工程はあらかた以下の通りとなります。

「締場」:砂糖黍の搾汁
「釜場」:荒釜:あくぬき
「釜場」:すまし桶:不純物抜き
「釜場」:中釜、上げ釜、冷し釜:煮詰めと撹拌冷却
「釜場」:冷しカメ:冷却、結晶化
「製法場」:荒がけ:一度目の糖蜜分離
「製法場」:研ぎ:糖蜜分離を繰り返す
「製法場」:粉砕、乾燥

 
 
もちろん和三盆糖を作っておりますが、独特な風味を持った物もございます。
阿波和三盆糖(粉のもの・お干菓子)
糖蜜
霰糖
阿波和三盆糖
 
粉のもの
製造された和三盆糖そのままを袋つめしたもの、原材料として出荷しているものです。以前和三盆糖として売れるものは菓子様に加工したものばかりだったのですが、近年調味料として和三盆糖が使用される事がとても多くなりました。コーヒーや紅茶の甘みとして、通常のお料理に砂糖の代わりとして使用してみて下さい。何か型が有れば、ご自分で干菓子も作れます。

 

お干菓子
「型物」とは木型などに入れてお菓子の型にした物を言います。和三盆糖の和菓子の用途の多くの場合がこの干菓子の材料として使用されてきました。岡田製糖所は「菓子屋」ではなく「和三盆糖製造元」なので、つなぎも着色料も使用せず和三盆糖のみで干菓子を作っています。その為若干もろく、見栄えも良くは無いのですが、和三盆糖本来のテイストが味わえます。
 

糖蜜
和三盆糖を製造する時に出来る糖蜜です。通常では非常に発酵しやすい為、濃く煮詰め、更に糖分添加し糖度を上げ、出来るだけ発酵しづらくして菓子原材料とし出荷しています。一般販売はいたしておりません。
霰糖
和三盆糖を製造する過程で、最後にふるいの中に堅い砂糖の塊が残りますが、それを潰さずにそのまま天日乾燥(陰干しでは乾かないので)したものを霰糖と言います。堅い和三盆糖の固まりですが、強い味わいと風味を持ち量もそれほど取れないので、珍しい菓子として珍重されてきました。

 
 
普通の砂糖とは全く違った風味を持つ和三盆糖は、近来和菓子専用の砂糖として生き残ってきました。今でもその状況は大きくは違いませんが、菓子以外の用途に、また家庭で、と使われる範囲が広がった事は確かです。
和菓子に
洋和菓子に
寿司屋さんやお蕎麦やさんで
喫茶店など、コーヒー、紅茶の砂糖として
家庭で料理に
和三盆糖の用途:「和菓子」
和三盆糖は長らく和菓子専用の砂糖として、その生産量の殆どを老舗の和菓子屋に納入してきました。今でもその状況は大差無く、その需要の大半は和菓子向けです。中でも落雁と呼ばれる干菓子の材料としては欠かせない物であり、各地の落雁の銘菓には必ず和三盆糖が用いられています。落雁は普通和三盆糖につなぎと称する粉を混ぜて作り、その配合等の変化で各菓子の特徴を出します。また、干菓子以外にも生菓子、羊羹や水羊羹、餡などに使われます。
和三盆糖の用途:「洋菓子」
和菓子用として用いられる事の多い和三盆糖ですが、最近洋菓子に用いられるケースも多くあります。カステラに用いたり、ケーキ等に和三盆糖をまぶしたり、また普通の砂糖の代わりに用いたりされています。
また、焼き菓子の場合、和三盆糖の糖蜜を用いて作ると非常に良いようです。和三盆糖は主に高級レストランのデザート部門や高級洋菓子店に納入しています。
和三盆糖の用途:寿司屋や蕎麦屋
最近多いのが寿司屋さんや蕎麦屋さんで用いられる事です。味にうるさく材料を充分に吟味するそれらの店で、割と多く使われています。
寿司屋さんでの用途は、その店によって違います。卵焼き等に使うことが一番多いのですが、その他料理の味付けに、また、少し色が着いてしまうのですが寿司めしに使っている所もあります。
蕎麦屋では、主に蕎麦つゆに用いられています。
和三盆糖の用途:コーヒー、紅茶に
和三盆糖は、約15年位前までは和菓子専用の砂糖として、一般にはあまり使われることの無いものでした。それが初めてそれ以外の用途に使われだしたのが、コーヒーや紅茶の砂糖としてでした。
それ自体に特徴的な味のある和三盆糖は、コーヒーなどのテイストと競合しそうですが、実際使ってみると非常に良く調和します。
和三盆糖の用途:家庭での料理に
和菓子以外に、和三盆糖が一番多く用いられている用途が、「家庭での料理」でしょう。それまで、主に高価と言う理由で一般の用途には使用されなかった和三盆糖は、近年ではデパート等の食材のコーナーでも見かける様になりました。
また、電話による注文、宅配便による配達と言う注文も多くなってきました。
使用法は普通の砂糖と同じで、特に煮物などに、更にその他の一般の料理に、普通の砂糖の代わりに用いられています。
もし、「阿波和三盆糖」の名を見かけることが有ったら、まず小さな分量の物からでもお試しになられることをお勧めします。