Alfa GTV 3.2 V6 24V


カーマニアの人はとても多いですけど、車はどうしても実用的な側面があって、乗り物(その機械)としては、私には遙かにオートバイの方が楽しいのですが、当家ではオートバイに乗ることにはは家族中が大反対!!、、、とても気軽に乗れません。 今のバイクを乗り換えるなんて不可能、まして大型免許なんて、絶対に取りに行く許しなど出ません(でも、大型自動二輪免許が欲しいよ)。

長い間乗っていた、ランドローバー・ディスカバリーがそろそろ8万キロを迎えるので、乗り換えとして、今回は実用を考えず自分の好きな車にしてみる事を考え始めました。元は、徳島はローバーとアルファの代理店が同じ所でして、ディスカバリーの整備に行った所でアルファ147を見、「一度この様な車に乗ってみても良いなぁ、」と思うに至ったのが、事の発端かも知れません。

それで暫くの間、車雑誌を眺めつつ、次の車を色々考えてみました(普段は車種のことなど、余り知りませんので)。まずメルツェデスベンツとBMWは外します(単に好みです)。当然アメリカ車は論外。で実際そうするとあまり残らないのですよね。

そうする内に、アルファGTVがフェイスリフト(いわばお化粧直しね)を受けて、エンジンも3.2になって発売されることを知りました。基本的な車体は前と同じらしいです。設計は既に古いのですが、しかし、ピニンファリナによるこの車の造形は、何と見事なことでしょう!。

GTVの他に、最後までVWの出たばかりのトゥアレグとアウディTTクーペも一応考えていまして、双方とも後日試乗してみました。トゥアレグは流石に良かったですが、ちょっと大きいし、さすがにこの手の車はディスカバリーで少々飽きてきていました。

他方、アウディTTは1.8Lに試乗したのですが、その時はどうも今ひとつピンと来ませんでした。それならばこれから出る3.2Lクワトロはとも思ったのですが、こちらは何せ高いし、ショップに人に尋ねた時点で「もう既に何台か予約が入っています」と聞いて、即座に止めました。(なんか嫌だったので、、)

私はむしろマニュアルの方が好みなのですが、左ハンドルの車には乗ったことが無く、もし先のGTVと同じく右ハンドル仕様が出れば、NewGTVにしようと思っていました。ところがGTVは、左ハンドルのみの仕様で日本発売となりました。(後で判ったのですが、右側はシートの下に何か有るらしく、左より少し座席位置が高くなっています。ベストのドライビングポジションを求めるなら、左ハンドルにしか出来ないと言うわけです。)


しかし、代理店でもらったアルファ・ロメオの小冊子に載っていた、左のGTVの写真には、本当に何度も見惚れてしまいました。見れば見るほど素晴らしい。

まぁ選択理由は色々ありますが、私がGTVを買うことにしたのは、結局はそのデザインの見事さゆえと言って良いです。現在流通している(普通の人がなんとか買える)通常の新車の中で、一番素晴らしいのでは無いでしょうか、、

私は左ハンドルの車は不安だったので、それだけでかなり退いてしまったのですが、繰り返しこの写真を見るにつけ、ため息が不安を押しのけ、それでも数ヶ月迷った末、購入を決意しました。カラーはもちろん、この写真と同じの「ライトニング・ブルー」です。(本当はパールのヌヴォラ・ブルーにしたかったけど、、)

田舎の地方都市にはGTVの展示は有りません。写真だけで決めるのも何なので、京都に出張した折に実車を見てきました。まぁその時にはもう買うことは決めてたんですが。

11月末にオーダー、ブルーは在庫切れで4ヶ月待ちとのことで、納車は3月中旬になりました。その間、マニュアル右ハンドルのプジョー306を代車として借りていました。やはりマニュアルが楽しくて良いです。


右は納車されて、近くの神社に御祓いに行った時の写真です。当然ですが、実際のGTVは写真よりもずっと綺麗です。

上述の通り私はマニュアルが好みなのですが、左ハンドルはやはり不安でした。買う前に何人かの友人に聞いてみましたが、一様に「馴れれば、同じだよぉ」と言う弁でした。しかし初めて左に乗った時は緊張しました。右側の助手席がやたら広く感じました。今は少し馴れましたが、、、

納車から半月、実際乗ってみまして、予想と違うところが色々有ります。当初「当然クラッチは重いだろうし、シフトも当たりがつくまではかなり渋いんだろうなぁ、、」なんて思っていましたが大違い、クラッチは軽いし、シフトも最初からスコスコ入ります。有る程度覚悟していたので、全く拍子抜けしてしまいました。悪名高きイタリア車ですが、すこし勘違いしてた様です。

評判高い、アルファのエンジンフィーリングですが、思っていたよりもうるさくなく、とてもスムーズです。(まだ馴し中なので回転数を上げていませんが)

しかしGTVはかなりスパルタンです。サスは堅めで、路面の状況をきちんと伝えてくれます。フワフワ浮いているようなセルシオとは大違いですが(それはそれで凄い車と思うけど、面白くないわなぁ)、私はこちらが好きです。


左はGTVの内装です。ブルーの内装は赤基調なのですが、上手く写真が撮れなかったので、カタログ写真から借りました。

GTVの今のところの不満と言えば、内部装備になります。特にオーディオ。CD10連装のチャンジャー付きですが、CD−RW対応では有りません。CD−Rは一応かかりますが、良く音飛びします。ケンウッド製らしいですが、音量だけが一度OFFにするとリセットされてしまいます。でもこの車、結局オーディオなどはあまり聞きません。

またオーディオをONにしますと、CDを聞こうがどうだろうと強制的にアンテナが目一杯自動的に延びてしまいます。エンジンを切ると強制的にアンテナが収納されます。つまり乗るときには常にアンテナはたたまれていますが、エンジンをかけると思いっきり延びています。ですから十分注意してないと、そのうちどっかでアンテナを折ってしまいます。

誰もが知っている通りトランクは小さいです。でも小さいと知ってて見ると、結構広いです。2+2のシートですが、元々後に人を乗せる気にはなりません。実用性は低そうですが、近所の買い物にも変では有りませんし、まぁ結構使えます。そして、なにより実に魅力的です。

フェラーリは芸術品だからあの値段でも安いとか書いてる人が居ましたが、造形美としてはNewGTVが上なのでは、とも思います。しかし、いい加減な奴が多いイタリアですが、ことデザイン(芸術)においては天才的な所が有りますね、伝統でしょうか。日本は、なべて同じ様なデザインの車が、同じように各社から発売されています。見事な画一性、これも伝統でしょうか?。

昔、たまたま見た車雑誌に載っていたある車の姿を見て驚いたことが有ります。ザガートのアルファ・ロメオSZでした。一目では、何だぁ、と思いましたが、すぐあのデザインの素晴らしさには圧倒されました。(SZは過去に見た車のデザインの中で、最も印象的なものです。あんなデザイン普通の人には出来るものでは有りません。)今回、同じ様にデザイン主導で、同じアルファロメオの車を買ってしまったのは何か縁があったのでしょう。

GTVは今のところ特に不調なところも無く(まだ500k位しか走っていないので当然でしょうが)、思っていたよりずっと乗りやすいので、概ね満足しています。何か有るとすれば、まぁこれからでしょうけど、その折にはメンテナンス・レポートとして報告致します。

実のところ、車の形などは運転している本人には見えませんから、それほど重要でないのかも知れません。スペック的にはこの位の車で、もっと安心かつ安価で実用的な国産車が幾らもあろうかと思います。巷に言うアルファのエンジンの魅力も知りませんでした。それでもGTVにしたのは、私はただこの美しい車を目の前で見たかったと言う、それだけの事なのです。