究極のレコード整理術
(xiphioの場合)



前口上

もうかなり前になりますが、レコード芸術で、「究極のレコード整理術」の原稿を募集する、と言う表記が有りました。

その数年前から私の場合、レコード及びCDの年間購入枚数はピークに達しており、一番多い年で年間400枚位CDを買っていました。1/3は地元徳島で、2/3は東京に出た時にレコード店を回り短い時間で狂喜のごとくCDを買っていました。いつぞやは外国に行った折、一店舗で30分ぐらいの間に(時間が無かった)50枚ほど買った事もありました。

でも、さすがに1日1枚を越えるペースですと、「やはりちょっと買いすぎで消化しきれない、これ以上はもしお金が際限なく有ったとしても、とても無理!」と言う印象を自分自身持ったのも事実です(結婚前で、時間はかなり有った時期に関わらず)。このくらいが、頭が混乱しない限界の様でした。でもレコ芸を見ると、年間購入枚数500枚とか800枚とか言う人が必ずいますから、凄いですね。ちょっと信じられません。

当時、興味は専ら中世ルネッサンスからバロック初期までに偏っていました。で、そういうジャンルのCDは1枚のアルバムに複数の作曲家の作品が載ることが多いのですよね。で、例えばある日、F.ランディーニの曲が色々聞きたいと思っても、1つ、2つは憶えていてもとても網羅できず、ある時に「こんなCDに載っていたのにぃ」と思うわけです。

それで丁度、メディアがLPからCDに移行したのを機会に、CDを整理しようと思った訳です。

最初はカードでと思いまして、50枚ほど書いたでしょうか。すぐに不可能と思い中断しました。CDによってデータ量が違い過ぎてフォーマットが一定しないこと、またクロスリファレンスが出来ないからです。

それで運用をパソコンに変えて、Informix3.3と言うRDBソフトでプログラムを書きました。色々考えた末、ファイルとして、「レコード・CD」「プログラム(曲名)」「作曲者」「レーベル」の4つにしました。

そんな時、レコ芸の記事がありまして、初めてレコ芸に原稿を書いて送りました。そのレコ芸の最初の記事に依りますと、予想外の原稿が集まってしまい、思案のあげく何回かにわけて雑誌に載せる事にしたそうです。

、、のはずだったのですが、2回目の記事が載ったのが1年後位で、もう殆どあの企画は止めたものと思っていましたので、驚きました。で、いまだコンピュータを利用した整理法までたどり着かず、第3回めは未だに記事になって居ません。年一の企画なんでしょうか、そろそろ風化した内容になってしまうと思うのですが。

レコ芸の編集部には、以前英国の雑誌、"Classic CD"の連絡先を問い合わせた折り、親切に教えて頂いた事もあり、感謝しているのです。


物理的整理方法

「物理的整理方法」とか言うタイトルを付けてしまいましたが、要するにCDをどうストックしてあるかです。

イギリスのBBCMusicなんか見てますと、大きなCDラックの広告を良く見かけますが、日本のには大きなのはあまり見ません。どうしてでしょうか、不思議ですね。

私は文庫本用の棚が自由に移動できる組立スチール製の本棚を利用しています。普通の本用ですと奥行きが有りすぎて、かえって不便ですし、スペースも無駄になります。その点文庫本用のは丁度良い浅い奥行きです。棚を移動、増設してCDに丁度良いラックに仕上げる事が出来ます。

私の買ったのは、一組の支柱で両面棚の物で高さおよそ2m、片側に12段、1段に80数枚CDを並べられますので、両面で約2千枚のCDが収容可能です。

並べ方は、個人個人で好きな(便利な)並べ方があるでしょうが、コンピュータで内容を管理するのですから、私の場合は、以前の六本木WAVEのクラッシック売場の並べ方がそうで有ったように、レーベル別に並べるのが一番合理的だと思います。

話ははずれますが、私の場合、レコード店には普通お目当てのCDが有って行くわけでなくて、殆どノンジャンルで単に「何か面白いCDのは無いか」と、探すわけです。そう言うのはレーベルの特徴がとても大切なので、お気に入りのレーベルから探すのがてっとり早いのでした。そういう意味で、昔の六本木WAVEのクラッシック売場はとても買いやすい売場でした。

でもそれは、どうしてもマニア向けに近いので、さすがに一般の売場の場合ちょっと無理があるらしく、そのうち六本木WAVE店もジャンル別になってしまったのは残念でした。でもジャンル別と言っても、異なるジャンルの曲が一緒になっている場合も有るので、綺麗に整理できないのですよね。それにジャンルだけでは項目が少なすぎます。

私の所の場合クラッシックのCDは、国で分けて(輸入盤が多いので)、レーベルのアルファベット順に、そしてレコードCDの番号順に並べて有ります。国別と言うのは、国内版、北アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ語圏、ベネルクス3国、北欧諸国、フランス以外のラテン諸国(イタリア、スペイン、ポルトガル)、東ヨーロッパ諸国、その他の国、と分類しました。

それらの内部でレーベルのアルファベット順に並べるのですが、わかりやすくするために行き付けのレコード店に頼んで、レコード店で使用しているプラスチックの仕切板を売ってもらい、インデックスを付けています。

更に、整理済み(コンピュータに登録済み)かどうかと、大区分(クラッシックかアニメかとか)及び国を明らかにするため、コンピュータに入力したCDには、区分と国を略記した小さなシールを張っておきます。例えば「C.F]のシールが張って有れば、クラッシックのフランスのCDでコンピュータに登録済みであることを示しています。こうすれば、一旦取り出したCDも、間違いなく元に戻すことが出来ます。

コンピュータで検索したCDは、国とレーベルそしてレコードナンバーが明らかになっています。それを見て棚に並べてあるCDから取り出せば良いわけです。


論理的整理方法

こちらも「論理的整理方法」とか言うタイトルを付けてますが、要するにコンピュータでの整理方法です。

コンピュータでは、「レコードCD」「曲名(プログラム)」「作曲者」「レーベル」と4つのデータファイルのRDB(リレーショナル・データベース)としました。

そこに「演奏者」のファイルが無いのは、その管理が大変だからです。1つの曲に何人もの演奏者を登録する場合も有るでしょうし、私の様に、わざと変なCDばかり買っている者には、その数も絞りにくく、明確な管理が出来ないと判断したからです。また「レーベル」が有るのは、私の先に書いたCDの並べ方に依ります。

使用したRDBソフトはinformix3.3です。古いDOSベースのソフトですが、C言語とリンクが出来、細かいことは自分でCでプルグラムを作る事で、凡そやりたい事が有れば何でも出来るので大変重宝しています。

例えばinformix3.3では、曲名入力の折、作曲者のファイルを参照し、その作曲者コードをウィンドなどから選ぶだけでセレクトする様な、他のデータベースのリファレンスセレクトは出来ません。で、そこで、自分で作曲者のファイルを読み込んで画面にウィンドを作りセレクトするソフト(普通EMSかXMSを利用する)を、Cで自分で書いてリンクする事で実現出来したりしてます。

世はウインドゥズ時代に移って、一応、Delphiなども買ってあるのですが、年のせいでしょうか、新しい処理系をマスターする気力に最近少し欠けてきたな、と思うこの頃です。