オークション時計購入事例.1
60年頃のヴァセロン


これは、オークション失敗事例の方かも知れません。この時計の画像は、オークションのカタログからスキャナで取り込んだものですが、これを見る限りは全然変じゃありません。

カタログにはムーブメントの機構とかケースの材質の記述があります。最初の事例ですので、参考までに全文載せますと、

VACHERON & CONSTANTIN A GOLD WRISTWATCH

Signed Vacheron & Constantin, Geneve, 1960s

With nickel finished lever movement, 17 jewels, adjusted to temperatures, monometallic balance with micrometer regulation, numbered 469016, the matt silvered dial with applied Arabic numerals, subsidiary seconds, the circular case with snap on back numbered 303779, case, dial and movement signed.
34mm. diam.

色々書いて有りますが、アンティーク時計を買うときの最大の関心事、その時計のコンディションについては何も書かれていません。そこで、コンディションレポートを取り寄せる訳です。

ただ、このコンディションレポートがあまり詳細では有りません。普通2行程度のコメントしか有りません。この時計の場合帰ってきたレポートは、「normal wear で、ムーブメントは動いている」と言うものです。

さて、実際この時計が届いて良く見てみます。まず全体の感じからは、リュウズが不釣り合いに大きいと言うことです。どうやら、リュウズが交換されている様です。これには少々がっかりです。改めてカタログの写真を見てみると、それが分からない方向からうまく写真を撮って有ります。

しかし、だからといって文句を言っていく所は有りません。カタログに、コンディションレポートに書いていなかったと言っても仕方ないのです。

さてネジをまいてみます。ムーブメントは動いている様ですが、半時間で10分以上進みます。これは明らかにムーブメントが変です。おまけに時間合わせしていたら、常に時間合わせの位置になってしまって、元に戻せません。オークションで比較的安く買ったとはいえ、ヴァセロンです結構しました、一瞬焦りまくりました。

その夕方直ぐに行き付けの時計修理屋さんに行ってみてもらいました。リューズの方はどこかのネジが緩んでいただけの様で、一安心です。時間がえらく進む方は、水が入ったらしく、なんとヒゲゼンマイが引っ付いてしまっているとの事です。すぐオーバーホールをお願いしました。

こんな症状の時計でも、ちゃんとオーバーホールすればきちんと直るのが凄いですね。しかし私が行っている修理屋さんは、田舎と言うこともあって安いので大助かりですが、修理オーバーホール代が2万とか3万とかしますと、それはもう、かなり辛いですね。

最近、オークションで同じ時計を見かけました。やはりリュウズが違います。たぶんそちらの方がオリジナルのリュウズでしょうね。それだけは残念です。