オークション時計購入事例.4
ユリス・ナルダンのクロノグラフ、1927年


落札して実際に品物が届いてた時は状態も良さそうだ、と喜んでいたのです、実はとても大変だった時計です。


届いてちょっと動かしてみた時は、良い感じで、喜んでいたのですが、ベルトが写真でみる通りヒンジになっていまして、バネ棒を使っているのとは違い普通のベルトが使用できません。

写真にはベルトがついていますが、クロコダイルの為輸入時に破棄されて送られてきています。こちらでベルトを用意しないと使用できないので、長らく実際には使えないでいました。

やっとの事で、東京に行ったとき、某ショップでこの手のベルトを入手して使用してみましたが、、クロノ機能を作動させると、数分後には止まってしまうではありませんか!!

クロノを使わなければ大丈夫なのですが、これではいかにも悲しいです。オークションで、同様な時計に比べて、この時計だけ安かったのはこういう理由があったんですね。でも、このことは、カタログにも、取り寄せたコンディションレポートにも、一切記述がありませんでした。

変な話ですが、今まで見たオークションのでのコンディションレポートでは、「何々が正常に動作しない」と言う表現は未だに見たことがありません。そう言うときは、「オーバーホールの要がある」とか「整備する必要がある」とかで、全く動かない時には「お勧めしない」と言う表現になるみたいです。

ともあれ、それでは困るので、東京の某修理店に修理依頼をしました。受けてくれるか心配だったのですが、何とか引き受けてくれて良かったです、どこをどう直したかは不明ですが、かなり時間がかかりました(半年ほど)。当然、修理代も相当かかりました。

古い時計なのでちゃんと直るか本当に不安だったのですが、かなり大変だったとは言え、直って良かったです。修理代がかさんだとは言え、直らなければ購入代金もフイですから、修理してくれた方には(毎度のことですが)感謝しています。