冷蔵庫を利用して、簡易ワインセラーを作る。
<続編>


先に書いた「冷蔵庫を利用して、簡易ワインセラーを作る。」のページを読まれた方からmailを戴きまして、冷蔵庫に取り付ける温度コントローラーとして、三菱から換気扇用の温度スイッチが、1万円ほどで出ていることを教えていただきました。



調べてみると、確かに換気扇用として、温度スイッチと湿度スイッチの2つが出ています。価格も1万円ほどなので、早速注文してみました。

左がその、三菱換気扇用温度スイッチ、型番P-03CTCです。

中央のつまみで温度を設定し、その温度以上になると左側面のコンセントに通電される仕組みです。

この機種が届いた時、「これは結構使える、こんなのが有るのを知っていたら、温度コントローラーを自作しなくても良かったなぁ。」、と思いました。

確かに先に自作したコントローラーに比べ、単機能であって、設定温度もきちんと決めにくい点が劣りますが、何より自作する手間が省けますし、それよりもまず内部に電池がいりません。

実は先に自作した折に使用した「温度計測モジュール、TX-100(カスタム)」は、その作動に単3電池1本を必要とします。消費電力が微少な為、とても長持ちしますがいずれは電池交換しなければいけません。

当初、使用電源から1.5Vを作りその電池を省こうと思ったのですが、もしそうしたら一瞬でも停電した場合に、それまでの全ての設定が消えてしまいます。それは非常に困るので、結局内部に電池を抱えているのです。

このコントローラーは見ての通り、VRで設定温度を決めていまして、そう言う心配は皆無で、そう言う意味ではメンテナンスフリーとなります。

さて、この温度スイッチを表題の目的で使用する場合、この機器の温度センサー部を外部センサーとしなければいけません。



分解しますと、上記写真の様になりますが、温度センサーは基板の右下にあります。上の右写真はその拡大です。

要するにこれを取り外して、外に延ばしてやるわけです。半田付工作になれてる人なら簡単です。



センサーケーブルは、冷蔵庫の中に入れるために細くしたい事、ケーブル容量を抑えたい事、などから、フラットケーブルから3本を取り、両端2本を使用します。これは先にセンサーケーブルを自作した時に、具合が良かった為です。

3本取って、両端を使うのは容量を抑えるためです。長さは1.5mとしました。

出来上がりはこんな感じになります。ものの30分もあれば出来あがります。

で、早速、冷蔵庫にセットしてみましたが、すぐスイッチが切れてしまいました。理由は容量オーバーによるヒューズ切れです。「多分大丈夫」とちゃんと容量を確認しなかったのが失敗でした。

この温度スイッチは、規格として2Aまでとなっています。内部に付いているヒューズは3Aの物なので、実際には300Wまでは大丈夫でしょうが、やはりこれでは足りません。



こうなると別に100V・ACのリレーを使ったスイッチボックスを作るしか有りません。装置は簡単で、必要な物は基本的にリレー1個だけです。ただシャーシ加工とかの手間が、結構かかります。

右写真がそのスイッチボックスです。部品は全部で2千円もあれば揃います。組立はシャーシ加工も含めて、2時間もかからないでしょう。でも結局こういう工作は必要になりました。


後からの情報では、三菱の同様な製品で、6A規格の製品が有るようです。これですと、この様なスイッチボックスを作る必要も有りません。この様に冷蔵庫をワインセラーにする場合は、温度コントローラーとして、その製品をお勧めします。

この温度スイッチの、温度設定のつまみの目盛りは、元からいい加減ですし、センサーケーブルを延ばしてあるので、まずはその為のキャリブレートが必要です。そして温度設定のつまみの位置が決まったら、テープでも貼って固定しておく必要が有りますね。

この1週間ほど使っていますが、概ね良好です。今は以前に使っていたセンサーも入れてありますので庫内の温度変化が判りますが、このコントローラーだけでは実際の温度が判らないのが残念な点ですね。

実際にそうやって調べてみた所、温度の振れ幅が1度以上あり、先に自作したコントローラーよりはかなり大きめになっていますが、こういった目的ではまずは問題ないでしょう。