ワイン図書目録:M.ブロードベントの本:
Pocket Guide to Winetasting



ワインティスティングの為の解説本。具体的なやり方とか、使用する用語の用い方などもありますが、ワインのテイストを認識するための葡萄の種類や各産地の特徴をはじめ、バックグランドの解説が多くて、別にティスティングだけが目的では無くて、ワインを楽しむだけの者にとっても、非常に示唆的でとても意味があります。

同じシリーズのポケットブックでも"Pocket Guide to Wine Vintages"と違って、読むところが多くて、英語が得意でない人にはちょっとつらいかも知れません。(私もちょっと辛いです)

ところが、全く同じでは無いけれど

「プロのための、ワインテースティング入門」
(西岡信子訳、柴田書店)

と言う翻訳本が出ています。この本は、同じくブロードベントさんの"Wine Tasting-enjoying & understanding"の訳となっていますが、細かい差異はあるものの、ほぼ同じ内容となっています。「プロのための、、」と言う表記を気にしないで、是非読んでもらいたい本ではあります。

ただ"Color Variation"としてカラー写真で各特徴的なワインの色を解説してある項が、こちらの訳に無いのは残念ですし、内容の改訂があまりなされて無く、巻末の資料等の中に訳に既に立たない物のが有るのがちょっと残念です。


上記のごとく書いたのですが、96年12月にやっと日本語版の改訂版が出ました。

マイケル・ブロードベントのワインテースティング
(西岡信子訳、柴田書店、2678円)


一番良いのは、前の版で省略されていた、ワインの色を解説する写真が載っている事ですね。

内容とは別に、もう一つ大きく変わったのが最後のテースティングの用語集の所で、以前は英語が主でアルファベット順に並んでいましたが、今回は日本語が主となり、訳語のあういえお順になっています。どちらが良いかは難しい所です。

個人的意見を言いますと、本の大きさ、紙質、字の大きさ等、それに文体も以前の版の方が好きですが、さりとて大きく不満を言うほどでもありません。(もっとひどい本は幾らもある)

ワインを少し飲むようになると、良いものを飲んだ時、感動した時、何か言いたくてうずうずしてくるはず、どうにかきちんと認識しておきたいと思うはずです、如何ですか?。

最も、「飲んで美味しければそれで良い」と言うのも全く正しい意見ですし、それで良いと思いますが、もし何か基準みたいな物を捉えていて、その味を解りやすく自分の中で整理できれば、その美味しさもまた一過性の物でなく、これから違ったワインを飲んだ場合に、テイストの認識に広がりが出ると思うのです。要するにこう言う事はワインをより楽しく飲むための、手法の一つではないでしょうか。

私は、この本は別にワインの鑑定の為の本だとは思って居ません。ワインをより楽しむ為の本と思っています。読んで全部憶える必要も無いでしょう。ワインに興味が有る方は是非読んでみて下さい、私の大推薦本の一つです。