ブルゴーニュ、ブルゴーニュ、


まぁ、このページにブルゴーニュの名が付いたのは、たまたま原稿改訂の時にブルゴーニュを飲んでいたからに他なりません。

さて、ワインを少しばかり飲み始めたりしますと、すぐ次のような質問をされたりします。つまり「ボルドーとブルゴーニュ、どちらが好き?。」、、うげげ

単純に返答出来る方もおられましょうが(たんに好みの問題ですし)、私の場合いつも返答に困る質問です。「どちらが好きかと言われてもぉぉ、違うものだしねぇぇ」と言うのが精一杯かな。

失言のそしりを受けるのを覚悟で言うならば、ボルドーは思索的、ブルゴーニュは官能的と感じ無くもないのですが(単なる一面の表現ですが)、如何でしょう。 でも確かなのは、ボルドーの方が、まぁはずれは少ないし、CPもボルドーの方が良いかなって気はします。

ブルゴーニュの良いワインは高いんですね。これは希少性に由来します。ボルドーでもそうですが、同じくらいの美味しさの(難しい表現だなぁ)ワインなら、生産量が少ない方が、ぐっと高くなります。ル・パンなんて異様に高いし、オーゾンヌも評価の悪かった時期にもそんなに安くなりませんでした。(90なんて今買っておかなければ、、なんて思って、ついつい買ってしまいます)

私はあまり若いワインを早飲みする習慣はないので、ブルゴーニュも89以降はまだ飲んだことが有りません。そこで、オークションでブルゴーニュを買おうとすると、みんな結構高いのですよね。で、安いのを探すわけです。

あまり悪いヴィンテージはオークションに出ないので、その他に目に付くのは83、86あたりです。
それにつられて、私は83のブルゴーニュの良いエステイトを結構買いました。で、結果はと言いますと、全体としての割合は1勝7敗2分って感じです。

私が飲んだ中で感激したのは、Clair Dauの Bonnes Mares とGro Frere et Soeur のClos Vougeotのみです。Gro Frere et Soeurは凝縮されて良いことは良いのですが、ちょっと不自然に甘く(糖分添加のやりすぎ?)、素性はClair Dauがよい感じでした。
あとのワインはそこそこ飲める程度のが多くて、Voarickの Romanee St. Vivantに至っては、購入した時はまだ飲めたのですが、1年ちょいたった今では、ちょっと飲むのにつらいワインに変化しています。(1ケースも買ったのに6本以上残ってる、どうしよう、、)

83のブルゴーニュは、当初、なかなか良い、と言う評論だったのですが、年がたつにつれて評価をおとすばかりで、今では手を出さない方がよいヴィンテージ、になっています。大体ブルゴーニュのヴィンテージごとの評価は難しくて、最近になって、やっと70年代では78が一番良いヴィンテージと固まった様です。

83のブルゴーニュに関しては、95年の夏に"The Underground Wine Journal"から"The Wine Journal"に誌名を変更した雑誌に"An Historical Review of the 1983 Burgundy Vintage"とタイトルされた面白い記事が載っていました。


要するに、各ワイン評論家たちが83ブルゴーニュに対して、初出の時からどういう風に意見が変わって行ったかをコメントした記事です。とても面白いですよ。

当初は結構もてはやされた83なんですが、今の評価ははっきり言って良くありません。私もほんの少しの経験ですが、出来れば83には手を出さない方が無難という結論に達しました。(もう、遅いんだけど、、)

所で当初は80年代最高とか言われた85ですが、私が飲んだ範囲では結構危ないのも多くて、ほんとかなぁ、って思っていたら、今日届いたClive Cotes MW の雑誌 The Vine No.130には白は良いけれど、赤は"great"ではなく"at least very good"と評されています。でも、なら今後88とか90の評価はどうなるのかなぁ、っておもってもしまいますが。