2000年3月 今月の印象に残ったワイン


書いていますのは、5月の連休中です。毎度ですが、遅くなってすいません。

それよりもまずい事は、各ワインの記憶が薄れてしまうことです。まぁ、もともと大したコメントは書けない私ですが、それよりもっとあやふやな表現しか出来なくなってしまいます。ごめんなさい。

さて、3月はヨーロッパへスキーに一週間ほど行ってきました。今年は、フランスはアルプ・デュエズと言うところです。スキーに関しては、私のそちらのページを見ていただく事にして、ここではワインの話。

一人で5日ほど滞在する訳ですから、食事の美味しいホテル、と指定したのですが、食事の方はともかく、残念ながらワインリストの方もあまり大したことのないホテルでした。数も少ない上に、殆どが97以降という物で、唯一85(だっけかな)のレオヴィイル・ポワファレがリストに載っていましたが、それもちょっと高かったので(2万円弱だったかな)結局飲みませんでした。

滞在中、ディナーで飲んだワインは以下の4本でした。

最初に大したワインがない、とか悪口も書きましたが、でも食事と一緒に飲んでみると、どれも大層美味しく、充分に素敵なワインでした。(それに価格も、とってもお手頃)

まずは、スキー場のあるフランスはサヴォア地方にご挨拶の意味を込めて、サヴォアのACの一つであるルセット・デュ・サヴォアのワイン。このACだって普通ヴィンテージが付いているものですが、ハウスワインかも知れません、ヴィンテージが付いていませんでした。でも食事と共に摂るととっても美味しい。回りの人も、良くこのワイン飲んでいましたね。「ここに来たら、まずこのワイン」なんでしょうか。

次のロデの88のコート・ド・ボーヌは、先に書いたポワファレに次いで古いヴィンテージのワインでした。ロデとは言え、単なるコート・ド・ボーヌです、どんなのか心配でも有ったのですが、全く素敵なワインでした。

やはりテロワールが劣るので、間違っても深淵だったり、印象に残る様な複雑さがあったりするようなワインでは有りませんが、それはそれなりに綺麗に熟成したチャーミングなワインでした。

我々が一番味わう機会が少ないのが、こういったワインなのかも知れません。グランヴァンの88なんて、何時だって飲めますからね。それにここは標高2千メートルを超える町、きっと保存状態も良いのでしょう。

次のアリゴテはやはり美味しかった。私はアリゴテが好きなんでしょう、飲むたびに美味しいと思ってしまいます。最初のルセット・デュ・サヴォアも良かったけど、やはりこちらの方がワインとしてはまとまっていて良いように思います。

最後は私も始めて飲む、サン・ニコラ・デ・ブルグイユの赤ワイン。帰って色々読んでみますと、このACブルグイユの隣の地域も、なかなか良いワインの作り手が多く、パリなどではブルグイユ共々結構有名らしいですね。このワインは、どちらかと言うとちょっと軽めで98と言えど全然飲むには早くなく(そういう意味では、ボジョレーみたいだった)、でも食事と共には何も不満のない、とても素敵な赤ワインでした。




Valbuena 1991
Bodegas Vega Sicilia

スペインの最高級ワインとして有名な、ヴェガ・シシリア・ウニコを産する、ボデガ・ヴェガ・シシリアで作られる、もう一つのワインがこのヴァルブエナです。

5年熟成物となっていますが、これは昔3年熟成のヴァルブエナがあったからです。3年物のほうは、近くのワイナリーを買収してアリオンと言うクリアンサを作り出してから止めたようですね。ただ、この5年熟成と言うのはその内どのくらいが樽の中なのか、そうだとしたらどのくらいの大きさの樽なのか、そこらが今ちょっと分かりません。(また調べておきます)

アリオンは時折飲みまして、最近のは良くできているのに何時も感心するのですが、ヴァルブエナは飲むのは初めてです。

とてもしっかりした、大変良いワインだとは思いますが、私にはちょっと無愛想で悦楽に乏しいワインだった様にも思います。何時だったか、飲ませてもらったウニコの時の印象に似ている気がします。その時も、皆は素晴らしいと言っていたと思いますので、単に私の好みなのかも知れません。

でもこういうワインこそ、もっと長く充分に熟成させると、とても素敵になるようにも思うのですが、、、




Anderson's Conn Valley Cabernet Sauvignon 1993
Estate Reserve

ナパのアンダーソンズ・コーン・ヴァレーのワインは、日本ではあまり話題になることが無いみたいに思えますが、結構評判は良いみたいです。(私も今回まで飲んだことは有りませんでした)

パーカーさんの本で見ると、カベルネの他にも、シャルドネやピノ・ノワールも作っていて、そこそこの評をもらっていますね。私も実は、そのパーカーさんの評点を見て、買ってみたワインです。(この93のCSは92、3点付いていたような、、)

最初の果実実が落ちてきて、閉じ気味の時期なんでしょうか(今のカルフォルニアにはそういう物は無い、と言う意見も有りますが)、そこそこ美味しくて素性は良いように思いますが、魅力あるインパクトには幾らか欠けるワインで有ったようです。





Ania 1988
Castello di Gabbiano

(以前は)有名だったガビアーノのアニアです。アニアと言う名前は、ガビアーノのオーナーの下の娘さんの名前ですね。何年か前にワイン特集のムック本で写真を見ましたが、今は随分大きくなったことでしょう。

アニアと言うワインは今無いようですね。何だか、"Ania"という名前は、どこかが先に使っていて、それでクレームが付いたとか言う噂を聞いた事が有りますが、ちゃんと確かめてはいません。

まっとうな美味しいワイン、でもとても期待したほど、複雑とか深淵であったりは有りません。そういう意味では心情的には期待はずれとも言えますが、よく考えれば期待しすぎだったかな、とも思います。




Pahlmeyer Red Wine 1996

ワイン界のディーヴァ、ヘレン・ターリーがコンサルタントをしている、いわゆる「カルトな」カルフォルニアワインです。

前にも書いたことが有るかも知れませんが、カルフォルニアのワインは「誰がワイン作りのコンサルタントをしているか」がとても大切みたいです。その筆頭が、ヘレン・ターリーであり、またハイディ・バーレットであり、トニー・ソーター達なのですね。

実際暫く前に、"CULT WINE"特集をワインスペクテーターがやった時に、取り上げた今人気の「カルト」なワインの殆どは、彼女(彼)らが手がけているか、あるいは過去に手がけていたワイナリーのものです。

そういうわけで、最近は、誰々がどこそこのワインを作っている、と言う情報だけで、そのワインが注目されたりします。

しっかしまぁ、ヘレン・ターリーってのは凄いです。手がけるワインはことごとく賛辞の評が途切れません。特にこのワインは評判も良いですが、私としては「96なんて若いワイン、大丈夫かな」と幾らか思いながら開けましたが、このワインも滅茶苦茶美味しかったです。あまり美味しかったので、次の日すぐ電話して買い足してしまいました。

テイストはもう言わずもがなです。最近、大人気の若くて濃く、タンニンの甘く熟したカルフォルニアワインです。個人の好みとして、こういうワインばかりはどうかと思うのですが、美味しいことは、全く美味しいです。

余談ですが、ヘレン・ターリーは99年でこのワイナリーを離れた由。それ以降のパルメヤーがどうなるか分かりません。また、パルメヤーにはメルロが有ります。こちらは生産量が少ないので入手難。日本ではレストラン卸のみの様です。先日、某ワインバーのリストに載っているのを発見しました。その時は、ずっと安いブルゴーニュを飲みましたが、、




Ch. Latour 1976

このラベルの画像、色があまりついていないと思いませんか?。以前、とあるオークションでこのワインを落札して、届いたのを友人と見て、つい笑ってしまいました。

このラベル、白黒コピーのラベルなんですね。オリジナルのラベルが何かの理由で欠落してしまったのでしょうか、それにしても、コピーでラベルを作って張っておくというけなげさに、つい笑いがこみ上げたのでした。

まぁ、怪しいと言えば、私が持っている中でこれ以上無いぐらい怪しいワインなのですが、61とか82じゃないので、まず本物だろうと言う確信はありました。(フェイク物つくるなら、こんなヴィンテージにしないし、それに普通これほどいかにも怪しい様にはしないでしょうから)

今回開けてみましたが、コルクもちゃんとシャトー名とヴィンテージが入っていて、本物であろうと思われます。私はラトゥールの76は何度も飲んでいますが、76の印象としてはやはりラトゥールと言う良さは確かにあるものの、それほど素晴らしいヴィンテージでは有りません。でも、このボトルはその範疇の中で有りながらも、一番良い方のワインですね。

でも、やはり謎なのはそのコピーラベル。まだオリジナルラベルの76のラトゥールを持っていまして、見比べましたが、まずラベルのサイズが違います(少し小さい)。縮小コピーにしたんでしょうか?。それに、ヴィンテージ表示の文字の字体が明らかに違います。

うーん、このラベルを作った人は、違うヴィンテージのラベルをに、他のヴィンテージ表示を合体させたのでしょうか?、どうも謎は深まるばかり、、、、ワインは76ラトゥールとして違和感なく美味しかったけど、、